『真実の三国志』 大澤良貴 宝島社新書

この薄さ(たった255ページ)でもちゃんと、楊修は登場します。

楊修が登場しない三国志ものなんて、

三国志の本質を理解してない2流の文筆作業員の手によるものである。

この薄さで新書なら普通は研究書だが、一応、正史に基づいた小説である。
最低でも5冊分は欲しかったね。

演義」を超えた戦闘!知略!殺戮!と表紙に書かれているが、

もちろん、宣伝文句で割り引きするように(笑)

正史に基づいたと言う場合、陳寿三国志のみを参考にしたのか、

陳寿が切り捨てた史料を含む、

はいしょうし(PC故障で漢字登録消えた・・・そのうち変換します)が

参考文献として採録した三国志を参考にしたのかが、

実はやっかいな所である。

正史オタクはすぐ三顧の礼はなかったと言いたがるが、

その説は、陳寿が切り捨てた「魏略」に書かれている所である。

「魏略」も正史なんだから問題ないだろうと思う人がいるかもしれないが、

正史というのは時の権力者が認めた文献というだけのことで、

しかも、時代によって、正史になったり野史になったりする扱いを受けるのだ。

「魏略」も正史になったり野史になったりした筈で、

三顧の礼はなかった説を唱えるのは自由だが、

正史!正史!って強調されても笑ってしまう。

三顧の礼はなかった説も実は聞き飽きてる。

正史を研究するのなら、後漢書も含めて、

楊修の素晴らしいエピソードを研究して小説にしてほしい(爆)。

真実の『三国志』―活劇!三国志正史 (宝島社新書)

真実の『三国志』―活劇!三国志正史 (宝島社新書)