『子供の王国』 諸星大二郎

本書のベストセリフ

狩場「子供みたいに遊びまわっていたずらして、セックスは成熟した女とか!」

狩場「きさまたちは子供でも童心にかえった大人でもない! ただの狂人だ!」


・子供の王国

・食事の時間

・広告の町

・感情のある風景

・ダオナン

・ラストマジック

・会社の幽霊

・王の死

・オー氏の旅行


主にヤングジャンプに発表された作品の短編集である。

表題作は映画化もされた「ブリキの太鼓」の

バージョンアップであることは明確である。

目次絵にオスカーらしき人物が描かれているのが何よりの証拠である。

ブリキの太鼓」を観て腹が立った諸兄はこの作品を読んでスカッとすることをお勧めする。

本書に登場する成長をやめた子供たちは、オスカーのような超能力は持ってないので、

主人公の青年は敢然と彼らのライナスの毛布を破壊しにかかるのである。

マシンガンやバズーカ砲まで使用して、ニセ子供どもをぶっ殺していくのである。

社会平和の為に子供の王国を破壊した主人公がラストでああなってしまったのは涙をそそる結末である。

「食事の時間」は「生物都市」を社会派ハードSFにしたものである。

あの描写は諸星大二郎のあの絵であるから感動するのである。

ストーリーとテーマと絵がもっとも素晴らしく合致しているのが諸星大二郎である。

漫画界が生んだ宝石が諸星作品である。