『蜷川幸雄伝説』 高橋豊 河出書房新社

人間ドキュメント 蜷川幸雄伝説

人間ドキュメント 蜷川幸雄伝説

本書のベストセリフ

「5,6歳の頃、パパによく新宿駅西口の新宿中央公園に連れていってもらいましたが、

駅前の雑踏を見ながら、私にこう話すんです。

『人の流れが皆、右の方を向いていても、自分がいいと思ったら、

ひとりだけ左に行くのが勇気というものだよ』

大勢に流されずに、自立した女性になりなさい、

というパパなりの言い方だったと思います」

左翼崩れのジェンダー観も素晴しい反骨の演劇人ニーナ万歳!

もっと行くぜ!

「俳優としてちょっと地位を築くと、

風呂敷を広げがちな日本と違って、

イギリスでは、サーと敬称が付く名優でも、

付き人なしのひとりで来て、

芝居をして、地下鉄で帰っていく。

生活も食事も質素。

役者にとって何が大事で、

何が不必要なものかはっきりしている」

日本の大女優に「私は電車に乗ったことがない」

と自慢してるアフォがいましたなw

電車に一人で乗れない、

付き人に世話してもらえないと、

日常生活も送れないというのは、

普通の大人ではありませんよね。

幼稚なアフォなのにスターだと威張る

日本の演劇界はダメポ。

「乗り越えるためには自分の中に核となるものが必要だと気付きました。

他人のせいにはできない、

自分で歩いていくしかない」

頭の中はカラッポで志を持たない外面だけがいい日本の演劇人はダメポ。

「財布からお金を取り出す生活者のまなざしに耐える演劇をつくりたい。

観客が払った金額に見合わないような演技の役者には

『生活者に恥ずかしくないのかよ!』

と遠慮なく灰皿を投げ付ける」

ニーナは理想だが、現実は役者が客に暴行するからやってられんわ。

私の知り合いの観劇仲間は、

某ローカル劇団をネットで酷評したら、

呼び出されてボコボコにされたそうですw

「たかが、年末の芸能番組にすぎない『紅白』が、

何故道徳的な神を演じなければならないのか、

これではまるで世論という目に見えぬものの名を借りた

道徳管理にほかなりません。

『紅白』は、僕やお相撲さんら素人が審査員を務めるように

『遊び』なんです。

『遊び』に道徳律を持ち出すな!」

ゴミのくせに社会の良識を背負っているつもりのマスゴミには

ほんとムカツクよな。

「学生には、芝居でも、恋愛でも、

早く失敗しろ、と挑発してるんです。

切実な体験をして、早くそれから立ち上がるのが大事」

ニーナは大学教授でもあるが、

開成高校出身とは言え、

高卒なのは凄いよな。

ニーナの名セリフ満載の素晴しい御本でした。

舞台写真が一枚も無いのは残念。

蜷川幸雄をいまだに読めない人は、

ニーナ、可愛い、イッチャウよお!

と覚えるようにw