『人間・この劇的なるもの』 福田恆存 新潮文庫
- 作者: 福田恆存
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1960/08/22
- メディア: 文庫
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「すでに酔おうとして劇場にやってくる観客は、いいかえれば、
一つの行動に参与しようとしてやってきたかれらは、
主人公の無知にたいしては、はなはだ寛大である。
かれらの心理は、最初から眼を閉じようとしている。
同時に、かれらは、日常生活における知識の集積から、
それをいくら重ねても全体感に達しえぬ疲労から、
すなわち無意味な現実から、
逃避しようとして劇場に足を運んでくるのだ。
かれらは、劇場から、このうえ、
なんらかの不完全な知識を持ちかえろうと欲してはいない。
かれらのほしいのは生の全体感であり、
そのためには、かれらは喜んで無知の切り棄てに身をまかせるのだ。
判断の停止や批判の中絶を必要とするのだ」
演劇が何故知的レベルが低いかを見事に解析した究極の演劇論の書!
芸術論、人間論もやっている素晴しい人生の教科書でもある。
無知で判断力の無い批判精神の欠如した、
全体の雰囲気に酔いたい馬鹿が演劇を見たがるのだ。
生のライブ感が大事って、
演劇って生出しOKの3Pプレイの風俗産業に近いよなw
あっ、覗き部屋みたいなもんかww
演劇の知的レベルの低さが本書によって見事に理解出来て良かったですぅ!
知的なおっさんは、顔が良いだけの俳優が動き回るだけの演劇なんて、
馬鹿馬鹿しくて見てられないよなw