『死の泉』 皆川博子 早川文庫JA
- 作者: 皆川博子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/04/01
- メディア: 文庫
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野上晶が訳したという構成のナチスドイツもの。
耽美と聞いていたが、美少年同士の801はない。
悪役がナチの科学者だが、
人体実験もおとなしい。
ヒロインが途中で発狂して、
物語の途中にヒロインが見ている狂気の世界が、
唐突に挿入されるのもうっとおしい。
リフレインの手法も手抜きに感じる。
メタフィクションとして大ドンデン返しもあるが、
ミステリとしては伏線の張り方がヘタで、
ああ、そうだったんですか。
という感じでサプライズはない。
ドイツファン以外にはお勧め出来ない。
わざと翻訳調の硬い文章で書いたのだろうが、
文章も巧いとは思えない。
耽美小説として萌える要素は少ない。
ドイツの文化の教養小説として、
ドイツ人になりきって書こうとしたが、
面白い小説としては失敗作だよな。
日本人がドイツ人になって小説書くというアイデアはいいが、
アイデア倒れでしたな。