『怖い絵』 中野京子 朝日出版社

怖い絵

怖い絵

怖い絵には殺人等の犯罪現場を描いたものがあるが、

某作品は犯罪を助長するおそれがあると分析しているが、

ゴヤの『我が子を喰らうサトゥルヌス』には

犯罪抑止力があると分析しているのが素晴らしい!

(細見不二彦の「ギャラリーフェイク」でもやっていたネタだがw)。

ノーテンキに単純に美しい絵だけ描いたドガも紹介されてるのが、

?と思ったが、

ドガの批判精神のない薄っぺらい心が怖い

と落としている見事な分析に溢れた本です。

中野京子氏は、反印象派、反ルネサンスフェミニストという私の理想の美術批評家です。

もちろん総合評価は高階秀爾 先生が世界一ですがね。