『虎よ、虎よ!』 アルフレッド・ベスター 中田耕治訳 早川文庫

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫SF)

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫SF)

SFにワイドスクリーンバロックというジャンルを確立した傑作。

科学をネタにしても合理性には拘らず、

空想力の赴くままに、作者が暴走するのがワイドスクリーンバロックの魅力。

この作品では誰もがテレポート能力を持ち、犯罪しほうだいのアナーキーな社会が描かれる。

その暴力的世界での復讐譚である。

怒りで顔の刺青が浮かび上がるという設定は、

石森章太郎仮面ライダーでパクっていた。

ちなみに仮面ライダーが仮面を被るのは、醜い顔を隠す為ざんす。

009の加速装置もこれのパクリ。

私はワイドスクリーンバロックに哲学的マンガチックアクションSF小説という

異名を提唱しているが、

へたなマンガよりぶっとんだ、凄い世界とストーリーが展開されるのが、

ワイドスクリーンバロックである。

私は認めないが、ワイドスクリーンバロックこそが、もっともSFらしいSFであるという説もある。