『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン 福島正実訳 早川文庫

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

ハインラインの最高傑作にして、時間SFの傑作としてオールタイムベスト10の常連の作品。

猫SFとしても読める詩情豊かな作品。

恋人に裏切られ冷凍睡眠で未来に送られた男が、

タイムマシンで過去に戻って…。という話。

抜群の構成力だが、理解出来なかった人は、

広瀬正のオマージュ作品「マイナス・ゼロ」を読むといいかもしれない。

恋愛SFとしてもハッピーエンドになるが、

男に都合のよいハッピーエンドみたいなのが、ちょっと引っかかる。

冷凍睡眠ネタSFとしては、樹なつみの「OZ」のラストの方が、私は感動しました。

ロリコンを罵倒する「OZ」のヒーローは、年下の若い綺麗な未熟なヒロインと物語途中で知り合うが、

ラストで眠れる森の美女と化すのは男の方である。

男が冷凍睡眠している間に少女は成長して立派なオバサン科学者になるという「OZ」の方が、

硬派SFとして感動的だったよな。

私の記憶違いかも知れないが、ハインラインの「夏への扉」には、

ロリコンを認めるような軟弱な視点があったような気がする。

ちなみに竹宮恵子の「夏への扉」はハインラインとは無関係ですw