『背後の足音』 ヘニング・マンケル 創元推理文庫

本書のベストセリフ
「ホモセクシャリティは倒錯傾向という言葉に当てはまらない。1950年代なら、そういう表現が使われたかもしれないが、現代では倒錯とは言わない。人々が自分の性的嗜好を隠すことは倒錯とは関係ないことだ」

やはり現代スウェーデン作家のNO.1はマンケル。本作は今までで一番長いが一番無駄が無く、サスペンス溢れるページターナー振りに磨きがかかってる。

なんと、シリーズレギュラー刑事カール・エヴァート・スヴェードベリが自宅で銃で殺されているのが発見される!

そしてばか者じゃなかった若者三人の死体も公園から発見される。24時間体制で居眠り運転で事故死しそうになるほどの過酷な捜査の結果、主人公クルト・ヴァランダー刑事は、自身を友と慕っていたスヴェードベリが、若者殺しの犯人である可能性に気付く。

(ちょっと変則だけど)『カーテン』ネタキタ――(゚∀゚)――!!

父が病死し、恋人バイバとは破局し、元妻は再婚し、自身にも病気が発覚し、シリーズクライマックス(後2巻で閉幕)へ怒涛の展開!

頭を一発で仕留める射撃の名手の真犯人との最終対決で、主人公に銃も携帯電話も持たせない知恵の戦いも見事。

過去の無駄に思える娘とのエピソードも知恵の戦いに絡む巧さ。

解説読むとマンケルより下品な方のラーソン(無印ラーソンと言ったらオーサに決まってる)が日本では売れているみたいですが、
マンケルに比べたら滓としか思えない。

マンケルのような良書を読もう!
読む暇が無い人はマンケルのようにガザ支援艦隊に搭乗して
イスラエルと戦おう!アレ、なんかおかしいか?

背後の足音 上 (創元推理文庫)

背後の足音 上 (創元推理文庫)

背後の足音 下 (創元推理文庫)

背後の足音 下 (創元推理文庫)