『砂のクロニクル』 船戸与一 新潮文庫

本書のベストセリフ

「何が望みだと?個人的な利益なんか考えるわけがない!」

サミルかっこええよ、サミル、(;´Д`)ハァハァ。
凄いドラマツルギーの傑作。

会話はへたというか、行数稼ぎの疑問詞の合いの手が多くて鼻につくが、予定調和にならない怒涛のストーリー展開は素晴しい!
最後の大戦闘で名も無い雑魚兵が一番強いというトンデモないシチュエーションが顕現する()。
イスラムネタのレアな知識もGET出来てお値打ちだがね!
セクロスシーンが多いのは辟易するが、サミルはもちろんそんな不潔な事はしませんですのよ!うふ。

イライラ戦争後のイランのクルド人独立戦争を企む物語。私は、イスラム国家は、女性の社会進出を許すサダム・フセインイラクのファンでしたが、この本を読んでホメイニ氏のイスラム革命思想を実現したイランのファンに転びました()。
革命に萌える男は必読。
ぎゃあじんに萌えない人の為に、日本人も二人登場します。パレスティナ解放戦線の工作員と武器商人。
何の関係もないのに、通り名は同じ!?
ピアズ・アンソニィの『縄の戦士』みたいに名前賭けての対決はありません()。
イランのペルシア人のサミル・セイフのようなピュアな青年が多くて萌える。

砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)

砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)

砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)

砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)