『フランキー・マシーンの冬』 ドン・ウィンズロウ 角川文庫

本書のベストセリフ

「犯罪組織の人間たちと付き合うのは、
ゆがんだ時間軸の中で
永遠の中学校に封じ込められるようなものだった」

ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」等、
映画的ドラマトゥルギーを否定した、
21世紀に相応しいベトナム帰還兵の元殺し屋の新しい物語。
主人公は60歳なのでジェンダー観は古臭いが、
過去の因縁で命を狙われても、
殺し屋を引退して丸くなった主人公は、
敵の命を奪わないように戦うのが面白い。
序盤100Pは引退後の平穏な日常描写なので退屈だが、
アクションが始まったら一気読みです。
テンポはドンドン加速し、1章1〜2Pぐらいになってしまい、
サクサク読めます。
ハッピーエンドかバッドエンドか、超期待させるストーリー。
捻りが楽しい。
犯罪者を美化しない素晴しいクライム・ノベル。
マフィアより政府組織の方が性質の悪い犯罪組織だという
認識も素晴しい!
マフィアの殺し屋より酷い悪党は政治家である。
ラストのドンデン返しも見事に決まった傑作。

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