『優しい密室』 栗本薫 講談社文庫
本格推理としては、手掛かりの出し方がややアンフェアというか、
手掛かり出してない謎もあるし、
偶然の要素が介入しているし、
満点は付けられないが、
青春小説として素晴らしい傑作である。
女子高生の一人称視点だが、
少年が読んでも共感出来ると思う。
時代を超越した普遍の倫理観を賛美しているので、
老若男女誰が読んでも共感出来るお話である。
本書を面白くないと言う奴は、
人間でないケダモノだと認定します。
本書のベストセリフ
「誰でも、やっぱり、どんなふうに思われようと、
自分自身でいるほかはないのだ。
自分自身でいることを、人からうけ入れてもらうためには、
いよいよ自信をもって、自分をさらけ出し、
それで気にくわぬ人間には、
近づかないでもらうほかはない。
全世界の人間に、
全部好意をもってもらうわけにはいかないのだ」
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1983/08
- メディア: 文庫
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