『優しい密室』 栗本薫 講談社文庫

本格推理としては、手掛かりの出し方がややアンフェアというか、

手掛かり出してない謎もあるし、

偶然の要素が介入しているし、

満点は付けられないが、

青春小説として素晴らしい傑作である。

女子高生の一人称視点だが、

少年が読んでも共感出来ると思う。

時代を超越した普遍の倫理観を賛美しているので、

老若男女誰が読んでも共感出来るお話である。
本書を面白くないと言う奴は、

人間でないケダモノだと認定します。


本書のベストセリフ

「誰でも、やっぱり、どんなふうに思われようと、

自分自身でいるほかはないのだ。

自分自身でいることを、人からうけ入れてもらうためには、

いよいよ自信をもって、自分をさらけ出し、

それで気にくわぬ人間には、

近づかないでもらうほかはない。

全世界の人間に、

全部好意をもってもらうわけにはいかないのだ」

優しい密室 (講談社文庫)

優しい密室 (講談社文庫)