『林達夫評論集』 中川久定編 岩波文庫

本書のベストセリフ

林達夫「哲学や文学が軍隊の行進のプログラムになっては、それはもう哲学でも文学でもない」

素晴らしすぎます林先生!

戦争賛美文学などというものは存在しないわけである。

戦争を賛美する右翼思想なんてものは、思想の名にも値しないのである。

西田幾多郎和辻哲郎の西田哲学=京都学派を否定する論を探していた私であるが、

林先生が和辻哲郎の「尊皇思想の伝統」を批判していて溜飲が下がりました。

西田哲学など反戦主義者には何の役にも立たない駄目思想である。

というか、哲学という高尚な思想ではないということだね。

あと、林達夫の素晴らしい論説に、

1930年にギャグ批評の有効性を訴えていたことがある。

批評、書評でギャグをやるという天才は私が始めてかと思っていたが、

林先生が半世紀も前にとっくにやっていたのだ。

今読んでも笑えるギャグ批評も満載のこの「林達夫評論集」は、

全日本人必読の書である。

笑う余裕のない頭の固い右翼には辛いか?

反戦主義マンセー!と言っても、

戦争中に投獄され拷問で殺されなかった林達夫の訴えは、

甘いと思う左翼諸兄もいるかもしれないが、

獄死した左翼を誉めるのも、

特攻して死ぬ軍人を誉めるのも、

死を美化してる点では同じである。

林先生は、反戦主義者として生き延びる方法を教えている。

反戦運動が間に合わなかったら、

素直に軍人になって出世すればいいのである。

そして大本営参謀本部で、

戦争の指導者を暗殺するのだ。

深読みすると林先生は、天皇暗殺部隊まで組織したように読める。

天皇も東条も暗殺出来なかった歴史の事実の前には、

いまさらそんなこと言っても虚しいが、

戦争に協力した文化人が、

戦後、本当は反戦主義者でしたと告白しているが、

天皇暗殺計画を告白した人は林先生だけだよな?

もちろん、天皇という単語は使用してないが、

理想的暗殺者として 荊軻を暗示してるので、

大本営の将軍程度が対象だとは思えない。

時代は右翼だから、右翼にも参考になる批評を紹介しておくと、

朝日新聞批判の文は目からウロコが落ちます。

自己撞着のもっとも信頼出来ない新聞が朝日である。

朝日は一面で、私たちは嘘つきですと主張しているのである。

いくらなんでも21世紀の現在なら直っていると思ったが、

なんと今でも朝日は平然と一面に載せている。

朝日新聞の新の字をよく見てみなさい。

新の立木の木が未になってます。

昔の漢字はそうだったんだろうと騙されるが、

そんな漢字は無い!

朝日が勝手に作った漢字である。

何故漢字を捏造したかというと、

画数判断で縁起が悪かったからである。

なんと前時代的!

占いで政治していた古代の新聞か朝日は!

製鉄会社が金を失うのは縁起が悪いと、

鉄の字を別の漢字に捏造しているが、

製鉄会社は鉄を売って儲けるのだからまだ許せる。

新聞が売るのは情報、文字である。

自分たちの利益の為なら、文字も捏造する新聞社であると、

朝日は主張しているのである。

世界一ふざけた新聞社が朝日である。

林達夫評論集 (岩波文庫 青 155-1)

林達夫評論集 (岩波文庫 青 155-1)