『オッド・ジョン』 オラフ・ステープルドン 矢野徹 訳 早川文庫

超能力・新人類テーマの最高傑作。
SFにおける超能力者は旧人類に迫害され、

悩み苦しみながらも、生き残る為に、

旧人類と戦ってしまうものだが、

戦いという動物でも出来る野蛮な行為が出来るのに何が新人類やねん!

と私は常々思っていたが、

本書の主人公ジョン少年は、超能力を持っていても、

戦いは否定し、

滅びる道を選択するのだ。

正に真の新人類である。

戦わないので地味すぎるが、

哲学SFとして傑作である。