『世に棲む日日』 司馬遼太郎  文春文庫

「おもしろき こともなき世を おもしろく

   棲みなすものは 心なりけり」

高杉晋作辞世の句


前半の主人公、知識狂の吉田松蔭にまず萌えた。

サドの家庭教師に体罰をくらっても、

知識を教えてくれる先生様だからと、

吉田松蔭は教師を少しも恨まない。

外国には自分が知らないことがイパーイあると、

無謀にも外国船に密航してあぼーんされる吉田松蔭は、

知識を愛する男のヒーローである。
萌え男に配慮してか、石渡治の漫画では、

吉田松蔭は女だったが、女が知識欲に命賭けるかよ、ゴルァ!

吉田松蔭が牢屋に居た時、牢屋の中の粗暴犯たちが、

吉田松蔭の知識狂いに感染してしまい、

吉田松蔭の講義に熱中してしまうエピソードもいい。


で、後半の主人公の高杉晋作であるが、

奇兵隊を編成する時に、

完全に身分制度を否定して、

参加したい香具師は無条件で受け入れる、

肝っ玉のでかさに惚れました。

革命軍としてそれなりに活躍した奇兵隊であるが、

高杉晋作は革命の利益は辞退して、

明治政府に連ならずに死んだのもかっちょええ!

私益ではなくて公益の為に戦った高杉晋作に激萌え!

幕末の有名な志士はたいがい悲惨に殺されて終わるが、

天寿をまっとうして畳の上で死んだ高杉晋作は、

彼の戦闘能力の高さと人望の厚さをうかがわせる。

私が一番好きな幕末の志士は高杉晋作である。

醜男だから女には受けんけどな(w

新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (2) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (2) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (3) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (3) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (4) (文春文庫)

新装版 世に棲む日日 (4) (文春文庫)

司馬遼太郎原作 世に棲む日日 CD-ROM

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