『クラスターサーガ』 ピアズ・アンソニイ 浅羽莢子訳 ハヤカワ

論理数学ハードファンタシー「ザンス」シリーズで人気大爆発した

アンソニイの大宇宙活劇SF三部作である。

精神だけを銀河間虚空を越えて飛ばすことが出来るエージェントの、

銀河とアンドロメダとそして第三の銀河との星間戦争の物語である。
異星人の肉体に精神転移可能だが、同性間にしか転移できないルールである。

アンドロメダ戦のエージェントを選ぶ時に、

銀河で最高の転移能力を持つ男が、

文明が石器時代にまで退行したさいはての植民星出身だと知って、

地球政府要人は、原始人に銀河の未来を委ねることになるのかと呆然とするのだが、

野蛮で教育を受けてない男に、銀河の運命を賭けるのである。

一巻はラストの方でSFミステリになってしまい、

外見と魂が一致しない異星人のグループの中から

アンドロメダエージェントを捜すはめになるのだが、

ミスディレクションに騙される読者はもっとミステリを読んで勉強しなさい。

二巻は宇宙艦隊によるドンパチもあってゲームにするのにとてもよい大傑作である。

三巻は一番文学的だがそれゆえにダルイ。

クラスター・サーガ〈1〉キルリアンの戦士 (ハヤカワ文庫SF)

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クラスター・サーガ〈2〉タローの乙女 (ハヤカワ文庫SF)

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クラスター・サーガ〈3〉オーラの王者 (ハヤカワ文庫SF)

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