『重力が衰えるとき』 G・A・エフィンジャー 浅倉 久志 訳 ハヤカワ

SFマガジン本の雑誌、そして翻訳の世界でも、

1989年度SFベスト1のような扱いをされておったが、

(翻訳の世界は本当は2位です。1位はレムの完全な真空です)

こんなもんが年間ベスト1になるとはSFも随分つまんなくなったもんだ。
マイク・マッケイの未来探偵マシュー・スウェンシリーズよりはマシで、

一応SFになっているが、電脳とコネクションするのが、

百ページ過ぎてからで、テンポが遅くてイライラする。

浅倉久志の名訳でなければ、こんなに高い評価を受ける事はなかったであろう。

人格モジュールを脳に接続して、別の人間の能力を使うという設定なのに、

敵はジェームス・ボンドなりきっこ一人で、主人公はネロ・ウルフになるだけである。

もっと様々なキャラに次から次へとコネクトした方が面白くなったと思う。

今まで誰も書かなかった、イスラム社会での近未来ハードボイルドだというだけで、

SFにはこんなものもあるんだぞ、凄いやろ!と、

本質を理解してないアーパーどもがSFの底辺の広さを誇示する為に、

無理矢理傑作だと吹聴した作品に思える。

これがサイバーパンクで一番面白い話って言うんだから、

サイバーパンクのくだらなさも推して測るべきである