『墨攻』 酒見賢一

墨守の語源になった、謎の博愛主義者集団、

墨子教団を描く傑作。
イエス・キリストの博愛主義が如何に低レベルであるかは、

本書を読めば理解出来る。

戦国時代に、攻められた国を無条件に支援し、

無報酬で、専守防衛戦を展開する、

本物の博愛主義者集団が、墨子教団である。

イデオロギーで戦うのではなくて、

攻め込まれた弱い国を無条件で援護する、

素晴らしい奴等であるが、

支配者、権力者とは、攻めて攻めて攻めまくるものだから、

墨子の教えが、権力者に保護されるわけがなく、

史料が少なくて、謎だらけで、

あまりにもこの本は薄すぎて物足りないが、結末を変えて、

続きを森秀樹が漫画化しているので、実は漫画版だけ読めばいい。

墨攻 (新潮文庫)

墨攻 (新潮文庫)