『墨攻』 酒見賢一
墨守の語源になった、謎の博愛主義者集団、
墨子教団を描く傑作。
イエス・キリストの博愛主義が如何に低レベルであるかは、
本書を読めば理解出来る。
戦国時代に、攻められた国を無条件に支援し、
無報酬で、専守防衛戦を展開する、
本物の博愛主義者集団が、墨子教団である。
イデオロギーで戦うのではなくて、
攻め込まれた弱い国を無条件で援護する、
素晴らしい奴等であるが、
支配者、権力者とは、攻めて攻めて攻めまくるものだから、
墨子の教えが、権力者に保護されるわけがなく、
史料が少なくて、謎だらけで、
あまりにもこの本は薄すぎて物足りないが、結末を変えて、
続きを森秀樹が漫画化しているので、実は漫画版だけ読めばいい。
- 作者: 酒見賢一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/06/29
- メディア: 文庫
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