『西洋絵画史』 諸川春樹 美術出版社
- 作者: 諸川春樹,利倉隆
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 1998/01/16
- メディア: 単行本
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●ドメニコ・ギルランダイオ「ジョヴァンナ・トルナプオーニ」
●ドメニコ・ギルランダイオ「羊飼いの礼拝」
●ドメニコ・ギルランダイオ「老人と少年」
ルネサンス時代の軟派なイタリア人画家で、現代でも鑑賞に堪えるのは、ギルランダイオのみ!(藁
別コンテンツでギャグとして小物扱いしたが、
実はミケランジェロの師匠であり、
ボッティチェリとともに、システィナ礼拝堂でぶいぶい言っていた大物である。
「老人と少年」が無ければどうでもいい過去の遺物ですがね。
●ヒエロニムス・ボス「乾草車」
●ヒエロニムス・ボス「快楽の園」
●ヒエロニムス・ボス「十字架を担うキリスト」
●ヒエロニムス・ボス「手品師」
スペイン王フェリペ二世は、
ボスオタクだったらしい。
さすがスペイン人は価値ある芸術を見抜く目が確かですな。
●マティアス・グリューネヴァルト「聖アントニウスの誘惑」
●マティアス・グリューネヴァルト「キリストの復活」
●マティアス・グリューネヴァルト「キリストの磔刑」
●マティアス・グリューネヴァルト「辱められるキリスト」
所詮宗教画だから、現代人には意味が無いが、
幻想画や表現主義もちょっち入っているので、なんとか鑑賞に耐える。
同時代の同じドイツ人のデューラーよりは、グリューネヴァルトの方が感動出来る。
●ジュゼッペ・アルチンボルド「水」
●ジュゼッペ・アルチンボルド「火」
●ジュゼッペ・アルチンボルド「冬」
●ジュゼッペ・アルチンボルド「台所」
軟派なイタリア人が描いたとは思えない、芸のある騙し絵。
人間の肖像画に見えるが、近くでよく見ると、
動植物や静物の大群と化す。
感動出来る絵ではないが、努力賞はあげるべきですな(藁
●ジャック・カロ「二人のパンタローネ」
●ジャック・カロ「聖アントニウスの誘惑」
●ジャック・カロ「四人の人物」
●ジャック・カロ「バイオリン弾き」
軟弱なフランス人とは思えない、
グロテスクな奇想に富み、戦争の残虐のなかに人間性の暗部を抉った銅版画家。
って、ゴヤのイージータイプじゃん。
フランスの版画家としてのゴヤの称号を与えよう。(藁
●ディエゴ・ベラスケス「教皇インノケンティウス10世」
●ディエゴ・ベラスケス「女官たち(ラス・メニーナス)」
●ディエゴ・ベラスケス「プレダ開城」
●ディエゴ・ベラスケス「鏡の前のヴィーナス」
真面目に芸術に情熱を燃やすスペイン人は、猥褻目的の裸体画なんて描きません。
ベラスケスの裸体画は(ゴヤもそうだが)、
依頼されて仕方なく皮肉たっぷりに描いたのである。
神話の中にしか存在しない完璧な女性美ビーナスが、
鏡に映るって凄い皮肉だと思う。
私ってば、可愛い?
と鏡に問う女子高生並みに通俗的な存在に貶めていると思う。
鏡に映るということは、光学現象を伴う物体である。
たまたま光の加減で美しく見えたとしても、
女性美なんてすぐ崩壊するものさ。
とベラちゃんは訴えていると思います。
裸体画なんて本物の芸術家が魂込めて描く絵じゃないよ!
とベラちゃんもゴヤと同じ主張してると思いました。
●サルヴァトール・ローザ「はかなき人間」
●サルヴァトール・ローザ「アポロンとクマエの巫女のいる風景」
●サルヴァトール・ローザ「自画像」
●サルヴァトール・ローザ「壊れた橋のある風景」
バロック時代の軟派なイタリア人には思えない。
暗い情念漂う劇的な風景画で、ロマン主義に通じて良サゲ。
●アレッサンドロ・マニャスコ「死の風景」
●アレッサンドロ・マニャスコ「尋問」
●アレッサンドロ・マニャスコ「修道士の図書室」
ロココ時代の軟派なイタリア人には思えない。
ローザ同様情念が表現されているので、まともな芸術絵画である。
●ベンジャミン・ウェスト「ウルフ将軍の死」
●ベンジャミン・ウェスト「ウィリアム・ベンのインディアンとの条約」
●ベンジャミン・ウェスト「ネルソンの神格化」
ノーテンキで大雑把なアメリカ人には思えない。
一応ロマン主義なので○。
●フランシスコ・デ・ゴヤ「着衣のマハ」
●フランシスコ・デ・ゴヤ「カルロス4世の家族」
●フランシスコ・デ・ゴヤ「理性の眠りは怪物たちを生む」
●フランシスコ・デ・ゴヤ「わが子を食うサトゥルヌス」
「裸のマハ」を無視して「着衣のマハ」を収録しているのはまともである。
この本は全ての作家が1Pで、絵は四作収録する編集方針だが、
代表作4作を選ぶと女性裸体画が出てくる画家は、
猥褻目的で人生を送ったんだと解釈出来ますね。
女性裸体画より美しいもの、感動出来るものがいくらでもあるのに、
わざわざ女性裸体画を描くのは猥褻目的だっちゅうの!
●ウィリアム・ブレーク「太古の日々」
●ウィリアム・ブレーク「歓喜の日」
●ウィリアム・ブレーク「善の天使と悪の天使」
●ウィリアム・ブレーク「ダンテに語りかけるベアトリーチェ」
「太古の日々」の裸の老人(神か?)かっちょ良すぎ!
目が釘付けになります。
人を感動させる裸体画はやっぱり男性裸体画だよね。
●カルパル・ダヴィト・フリードリヒ「山上の十字架」
●カルパル・ダヴィト・フリードリヒ「窓辺の婦人」
●カルパル・ダヴィト・フリードリヒ「北極の難破」
●カルパル・ダヴィト・フリードリヒ「朝日のなかの女性」
ドイツロマン派の第一人者にして、世界一の風景画家。
風景の一部として女性を描いても、常に真後ろ向きで、
女性の顔は描かないフリードリヒは硬派でビバである。
●テオドール・ジェリコー「メデュース号の筏」
●テオドール・ジェリコー「エプソンの競馬」
●テオドール・ジェリコー「偏執病者」
軟弱なフランス人とは思えない、
フランスロマン主義の第一人者。
ドラクロワは表現力不足。
ドラクロワは新古典主義にしか見えない(藁
「偏執病者」はキ○ガイの肖像画だが、
ゴヤの「精神病棟にて」に比べると迫力不足。
●グランヴィル「現代のメタモルフォーズ」
●グランヴィル「カメレオンは述べる」
●グランヴィル「夢の変形」
軟弱なフランス人とは思えない、硬派なロマン派。
硬派というよりも、風刺や幻想のイメージの方が強いか。
●ギュスターヴ・ドレ「天と地の間で」
●ギュスターヴ・ドレ「ドン・キホーテの夢」
●ギュスターヴ・ドレ「生と死の間のサイコロ遊戯」
軟弱なフランス人とは思えない、硬派なロマン派。
硬派というよりも、幻想のイメージの方が強いか。
ガルガンチュア物語にひっかけた超電磁ロボ・コンバトラーVネタのギャグは自粛する。
●オディロン・ルドン「長首の花瓶にさした野の花」
●オディロン・ルドン「起源:おそらく花の中に最初の視覚が試みられた」
●オディロン・ルドン「キュクロプス」
●オディロン・ルドン「ベールルパートの径」
軟弱なフランスが生んだ、世界に誇れる本物の芸術家はルドンのみ。
フランス国立パリ芸術学校を退学になっているのが、ルドンの本物の証である。
学校のOBのコネに頼らないとプロに成れない芸術家って、情けないよな。
社会的責任の無い気楽な芸術製作業者の集団の一員になることを目指して、
学校で芸術を学ぶ学生は情けないよな。
学んで創作して一般人に素晴らしい芸術を見せて、
他人を感動させて、他人を幸福にするという目的ではなくて、
芸術関係の学生は、芸術をネタに仲間内で楽しく遊ぶのが目的らしい。
真面目に社会の為に働きたいと思っているおっさんに
仕事が無い不況の時代だが、
芸術関係の学生は能天気に社会貢献度ゼロの作品作って褒められるのだから、気楽でいいよな。
●エドヴァルド・ムンク「叫び」
●エドヴァルド・ムンク「接吻Ⅲ」
●エドヴァルド・ムンク「マドンナ」
●エドヴァルド・ムンク「思春期」
「叫び」の素晴らしさは語るまでもないが、
「接吻Ⅲ」は接吻テーマの絵画の最高傑作!
クリムトの「接吻」は猥褻画にしか見えないが、
ムンクの「接吻Ⅲ」は化け物の絵に見える傑作である。
接吻シーンに興奮したいのなら、芸術鑑賞などせずに、
エロビデオでも見てろ!
「マドンナ」は深井国の「哀しみのベラドンナ」
の元ネタと思われ。
「思春期」はロリコンが喜ぶ少女裸体画だが、
少女の裸ばかり鑑賞しないで、右側の少女の影の中に潜む人物に気付いて欲しい。
「叫び」の人物が隠れています。
●モーリス・ドニ「ミューズたち」
●モーリス・ドニ「猫とランソン夫人」
●モーリス・ドニ「セザンヌ礼賛」
軟弱なフランス人だが、ルドンの素晴らしさに気付き、
象徴主義に目覚めた知的な人。
だぁかぁらぁ〜、「セザンヌ礼賛」は、
ルドンを礼賛している作品だっちゅうの!
誰もセザンヌの絵なんか見てないっちゅうの!
描かれている若い画家は全員、
ルドンを尊敬の眼差しで見つめているやんけ!
コネの強いセザンヌに逆らうことは出来なかった
ドニの苦心の策を読み取ってやれよ!
現代の評論家や研究者さえ、印象派が構成する悪の組織にさからうことは出来ないのか…。
●カルロ・カルラ「ロトの娘」
●カルロ・カルラ「反優美(幼児)」
●カルロ・カルラ「母と娘」
●カルロ・カルラ「アナーキスト、ガリの葬儀」
それなりの絵を描いてメジャーになれば、
女はいくらでも寄ってくるという軟派なイタリア人画家には思えない芸のある人。
ピカソやゴヤ並みと言っては褒めすぎだが、
カルラの画風の変遷も凄い!
常に新しい芸風を開発しようとするカルラの芸人魂は評価します。
イタリア人画家の絵なんて、魂が入ってないので感動出来ないが、
カルラには芸人魂が感じられるので観ても損ではないだろう。
みるべき価値のあるイタリア芸術はカルラのみですな。
「反優美(幼児)」は必見である。
スカートはいてるので少女だと思うが、
こんな不細工な少女の絵で人を感動させられるのは、カルラぐらいのもんだろう。
不細工な少女の絵と言うと、
岸田劉生の「麗子像」が有名だが、
麗子ちゃんは不細工なだけで、なんの感動も呼びませんよね。
麗子はただの不愉快な不細工な絵だが、カルラのブキミ少女は芸術です。
少女の足元のチェッカーとトランペットの意味を考えてみたまえ!
カルラのメッセージに気付きましたか?
●オスカー・ココシュカ「風の花嫁(テンペスト)」
●オスカー・ココシュカ「真昼の峯」
●オスカー・ココシュカ「自画像」
オーストリアのフリーダ・カーロの異名を持つ。
やっぱ血だらけの自画像がポイント高いよね。
●ジョルジオ・デ・キリコ「不安なミューズたち」
●ジョルジオ・デ・キリコ「パリの画室での自画像」
●ジョルジオ・デ・キリコ「街角の神秘と憂鬱」
●ジョルジオ・デ・キリコ「神秘的な広場」
キリコで感動出来るのは、「街角の神秘と憂鬱」だけです。
●ルネ・マグリット「レイプ」
●ルネ・マグリット「大家族」
●ルネ・マグリット「釘づけされた時間」
●ルネ・マグリット「光の帝国」
ベルギーが世界に誇る画家。
「レイプ」の皮肉は強烈である。
裸体画や美人の肖像画を描く画家の眼には、
女性はこう見えていると理解するべきである。
女性をいきなり脱がしたら犯罪だが、
芸術という名目が付けば、脱がしても犯罪ではないっておかしいよな。
皆さん、猥褻目的の自称芸術家には気をつけましょうね。