『笑う男』 ヘニング・マンケル 創元推理文庫

笑う男 (創元推理文庫)

笑う男 (創元推理文庫)

本書のベストセリフ

「夢?警察官が夢をもつのか?」

"クルト・ヴァランダー"シリーズ第四作。

人権擁護国家スウェーデンの珠玉の警察小説。

正当防衛で悪人を射殺した主人公が、

罪悪感に苦しみ1年半も鬱病になって休職してしまう展開は、

正義の殺人を賛美するありふれたアメリカミステリにはありえない展開。

B級アメリカ文化に汚染された心が浄化されます。

総合評価はもちろんヒラリー・ウォー には劣るが、

上品さや美しさは素晴しい!

私生活ボロボロで夢も希望もない主人公が、

スウェーデン経済界の大物が画策した巨悪に挑む!

大金を持っている者は悪い事をしたからだという世界観も素晴しい!

公私混同しない私利私欲の無い警官なんて現実にはいないだろうが、

小説なんだからヘニング・マンケル のように理想の警官を描いて欲しいですね。

オイコラ!と威張って悪人を合法的に射殺したい奴が警官になる時勢だもんなw