『知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性』 高橋昌一郎 講談社現代新書
知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)
- 作者: 高橋昌一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/04/16
- メディア: 新書
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「ある種のテクストが難解なのは、
きわめて深遠な内容を扱っているからだという評判を『脱構築』したいのである。
多くの例において、テクストが理解不可能に見えるのは、
他でもなく、中身がないという見事な理由のためだということを知っていただきたいのである」
架空座談会方式で適時に表やイラストが入るので、とても判り易い。
間違って覚えていたソーカル事件も人間原理も明確に復習出来て良かった。
ドゥルーズ信者でしたが数学の知識が150年古い詐欺師だと紹介されていて目が覚めました。
帰納法の正しさを証明出来ないというネタが一番ショックでした。
ゲーデルが証明してたと思ったが、超数学的帰納法で形式的帰納法を証明しても、
完全に証明したことにはならないんですね。
科学論理は反証可能命題でなければならないというのが物凄く判り易くてグッド!
知らない哲学者ではハルトマンがSFとして凄く面白そうです。
人類は科学を進歩させて、宇宙に生命が発生しないようにして、
滅びるべきだという究極の厭世哲学。
人類が滅びても、また知的生命が発生してはアカンので、
宇宙が自殺するように宇宙改造しようという壮大なSF!
私も人類が誕生したのは間違いだから、
滅んだ方が宇宙には正しいと思っていたが、
人類滅亡後の宇宙の未来も考えるハルトマンの壮大さは胸を打つよね。
宇宙を消滅させる科学力を手に入れるまで、
人類は生き伸びねばならないざんす。
ソーカルが批判した知の詐欺師8名をメモっておこう。
読むべき元ネタもメモっておこう。
金森修『サイエンス・ウォーズ』
アラン・ソーカル&ジャン・ブリクモン『「知」の欺瞞』
カール・ポパー『推測と反駁』
カール・ポパー『客観的知識』
カール・ポパー『開かれた宇宙』
ポール・ファイヤアーベント『方法への挑戦』
ポール・ファイヤアベント『理性よ、さらば』
上田光雄『ハルトマンの無意識の哲学』