『猟犬探偵』 稲見一良 光文社文庫
- 作者: 稲見一良
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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私立探偵竜門卓シリーズを四編収めた短編集。
『セント・メリーのリボン』 の表題作も竜門ものだが、
クロニクル的に後のエピソードが収められているので、
これを読む前に『セント・メリーのリボン』 を先に読む事をお勧めする。
セント・メリーが再登場するエピソードも収録されてまっせ!
私がこの短編集で一番巧いと思ったのは、
ハードボイルドファンタジィとでも言いたくなる一個目の作品である。
短編として見事な落ちのセリフで綺麗にまとまっています。
残り3つはテーマやプロットの切れがやや悪く感じた。
猟犬専門と言いながら、馬やトナカイを探す羽目になるシチュエーションが面白い。
作者が生きていればこのシリーズは、
妖精や恐竜やニャントロ星人の探索までに発展しただろう。
最後は円卓の騎士として竜の探索をしたに違いない。
捨てろタイプな都会派のハードボイルドに飽きている人はぜひ読んで下さい。