『もっとも危険なゲーム』 ギャビン・ライアル 菊池光訳 早川ミステリ文庫

もっとも危険なゲーム (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18-2))

もっとも危険なゲーム (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18-2))

ストイックなプロの運び屋を主人公にした珠玉の作品。

美人の色仕掛けにも金にも見向きもせず、

依頼人を裏切らない主人公が素晴しい。

依頼人は相場を知らない金持ちの素人なのに、

依頼人が出す金を多すぎると半分返すのもかっちょええ!

主人公はパイロットなのに、やくざや警官やスパイと戦う羽目になるが、

大ピンチに女に助けられたりして、

ジェンダー観も素晴しい傑作。

悪党は無法者ではない、

悪のルールを正直に守っているのだという、

ピカレスクノワールを馬鹿にした視点があるのもデラかっちょええ!

これが本物の自立したプロの男である。

冒険小説作家はやっぱライアルが一番私に合います。

星5付けたいくらいだが、

アクションシーンにもう一捻り欲しかったので星4.。