『戦闘マシーン ソロ』 ロバート・メイスン 雨沢 泰 訳 新潮文庫

戦闘マシーン ソロ (新潮文庫)

戦闘マシーン ソロ (新潮文庫)

ニューロコンピュータにより学習能力を持つ人間型ロボットのソロは、

訓練中に人間に殺されると誤解して脱走、

ニカラグアのジャングルに潜伏した。

そこは敵と教えられた共産主義者どもの住む所だったが、

バッテリーをチャージしないと自分が死んでしまう。

ソロは毒蛇に襲われている人間を救い、味方だとアピールし、

彼等の為にコントラと闘うようになる。

アメリカのエージェントもソロを回収する為に動き出す。

かくして、知性を持つロボットと人間との間で知力と科学力の戦いが開始された!

ソロが頭のイカレタ神父(神父とは頭のイカレタ存在である)と出会い、

神父が

「君は私に危害を加えるつもりか?」

と尋ねて、否定したソロに対して、

アシモフのロボット工学の三原則で、殺人は出来ないんだな」

と言った時、ソロは

「そのアシモフというのが何者なのか知らないが、私は今までに三十人ほど殺している」

と答える箇所は痛快である。

頭の固いSF作家には絶対書けないセリフである。

ロボット(人工知能)SFの最高傑作、ホーガンの「未来の二つの顔」には、

もちろんかなわないが、感情を持ってしまい、友情も愛情も理解したソロが、

最後に選んだ、知的生命体としてもっとも大事な生きる目的とは何か?

ラストに感動出来ない奴は、ケダモノ以下のパープーである。

せいぜい、友よ、愛する者の為に俺は戦う!と、

永久に戦い続けて死になさい。

「君たちは本物の知的生命体か!?」