『遥かなる地球の歌』 アーサー・C・クラーク 山高 昭 訳 ハヤカワ文庫SF
- 作者: アーサー・C.クラーク,Arthur C. Clarke,山高昭
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1996/03
- メディア: 文庫
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クラーク版「断絶への航海」である。
ワープ航法などというテレポートと同じようなふざけた超常現象は、
まともなSFは使ってはいけないのである。
本書は1985年の科学技術で可能と思われる恒星移民テーマのハードSFである。
ひとつだけ実機は作動してない理論段階のアイデアもあるが、
ワープやらエネルギー充填120%に比べればまともである。
クラークの欠点である人類を見守る未知の存在も、
ハードを追求するなら出すわけにいかず、
太陽系最後の日を迎えるが宇宙人は助けに来ず、
人類は独力でワープエンジンもなしに恒星間へ旅立つのである。
オーバーロード、オーバーマインド、スターチャイルドというフザケタ存在が出てこない、
クラークの良い所だけを集大成した傑作である。
ベスト1と言いたいが、地味すぎるのでベスト2ですね。