『失われた宇宙の旅2001』 アーサー・C・クラーク  伊藤典夫 訳 ハヤカワ

別バージョンの長編かと思って買ってしまったが、

一冊丸ごと小説ではなくて、クラークの日記も付記した

クラーク版「メイキングオブ2001」

メイキング・オブ・2001年宇宙の旅

メイキング・オブ・2001年宇宙の旅

である。

火星生物に遭遇したり、スターゲートの向こうにワラワラと

宇宙人がいたりする大歩危な古い小説である。

クラークはサイクロプス計画で宇宙人が見つかると信じていた

低知能者だが、本書では21世紀の初頭に宇宙人が地球にやってくるだろう

というとんでもないエッセイも読めます(藁)。

て、いうか、クラーク説なら、もう宇宙人からの電波による返信は

とっくに届いている事になっている(爆)。

それにしても伊藤典夫ってこんなに訳が下手だったのか?

クラークの原文が下手だという説ももちろん考えられるが、

形容詞の置く位置がおかしくて、目的語が明確でない

変な日本語が頻出します。

助詞のセンスも悪い。

P308の文、

<ひとりの生物が両手にずんぐりした棒を持ち、>

これではバットを右手と左手で2本持っているようにとれる。

両手に→両手で

にするべきであろう。

ちなみにボーマンはニューヨーク・ヤンキースのファンであったことが、

本書を読めば判ります。

切り捨てられた人物描写を参考にして、「2001年」のクイズでも作りたい人には、

本書は有用な種本になるであろう。