『宇宙の戦士』 ロバート・A・ハインライン  矢野徹 訳 早川文庫

宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))

宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))

戦争賛美SFとして物議を醸したが、

ハインラインは古臭い保守反動主義者ではない。

女尊男卑の思想が流れているのは、前衛的。

宇宙の戦士というタイトルだが、 知的レベルの低い男は宇宙船のパイロットに成れずに、

歩兵になるしか愛国心を発揮する場所がないのだ。

強化服を着た機動歩兵が、宇宙人と戦う物語だが、

核バズーカは四発しかなく、

宇宙人との肉弾戦は、筋力を増強する強化服で行うので、

腕力しか取り柄のない男が歩兵になるのだ。

宇宙船のパイロットは知的な女性ばかりだが、

軍人なので女性も丸刈りなのがかっちょええ!

硬派な戦争SFである。

美しい女性は何もしなくても守られるべきだという視点がないので、

ある意味ジェンダーSFとしても読める。

男女平等を訴える女性は、国家が戦争状態になったら、

もちろん丸刈りの志願兵になる覚悟があるんだろうな?