『朱温』 仁木英之 朝日文庫

朱温 上 (朝日文庫)

朱温 上 (朝日文庫)

朱温 下 (朝日文庫)

朱温 下 (朝日文庫)

『夕陽の梨―五代英雄伝』 を導入部として完全インクルードし、

続きを書いて四倍に膨らませたもの。

これを読めば『夕陽の梨―五代英雄伝』 は読む必要はない。

上巻は、愛する家族の為ではなくて他人の夢を背負って戦う朱温がデラかっちょええ!

愛を求めない彼が妻にしたのは、

諸葛孔明の妻のような不細工で知的な女性なのも素晴しい!

家庭の団欒などは無く妻との会話は戦略会議のみのかっちょよさ!

孔明以上に信賞必罰がシビアで凄い。

戦に強い武将だが、卑怯な暗殺作戦も建てる悪の魅力もありますよ。

曹操+諸葛孔明のような凄い英雄が朱温!(褒め過ぎか?)

が下巻に入って、妻が死んで若い頃の恋人にそっくりな女が現れ、

朱温は女狂いになりおかしくなる…。

部下の妻にも夜這い仕掛ける情けなさ。

唐皇帝から帝位を簒奪し朱温の暴走は続く。

これは敵側の方にファンが付きそうだな。

李克用や楊行密のファンの方が多くなりそうだ。