「オイディプス王」『ギリシア悲劇 II ソポクレス』 高津春繁他訳 ちくま文庫

オイディプス王 (岩波文庫)

オイディプス王 (岩波文庫)

ザコンの別称エディプスコンプレックスの語源になったオイディプスの物語。

ライオスは禁断の恋に嵌った。

やめて

おしりが

いたい

男色である。

神々は激怒した。

神々の楽しみは人間の運命に干渉することなのに、

男色行為からは、

神々の新しいおもちゃが誕生しない!

神々はライオスをいちびることにした。

お前が、正常性欲に戻って子供を授かっても、

お前は子供に殺されるであろう。

ライオスは生まれた実子の踝を貫き、

歩けないようにして山に捨てた。

だが、赤子は羊飼いに拾われて、

踝を括られたという意味のオイディプスと名付けられ、

裕福な家庭に預けられすくすくと成長した。

成長したオイディプスは、なぞなぞ怪獣スフィンクスのなぞなぞに見事に答え、

スフィンクスを降参させ、退治したことで、

その誉れはギリシャ中に広まった。

王が殺害されたテーバイは、

オイディプスを新たな王として呼び寄せた。

なぞを解くのが大好きなオイディプスは、

未解決のテーバイ前王殺人事件の犯人の捜査を開始する。

だが明らかになる驚愕の事実!

なんと探偵が犯人だったのだ!

しかも、自分が殺したのは実の父であり、

実の母を妻とし、四人も子供を作ってしまったのだ!

妻(母)は自殺する。

オイディプスも自分の目を突き盲目となる。

盲目のオイディプスが二人の娘(妹)とともに

テーバイを追放されるシーンで物語は終わる。

ニーナ演出の劇の方を先に観ていて、

原作が気になって読んだのだが、

オイディプスを拾った羊飼いが真相を語る場面で、

舞台では従者の美少年も立っていたが、

原作では、従者とともに羊飼いがテーバイに来たと説明されているだけで、

従者を舞台に立たせる必然は、ありません。

やはりホモのニーナの改竄演出であったw

ホモなのに、オイディプスの娘も二人登場したのが納得出来なかったが、

原作読んで、息子より娘の将来を案ずるオイディプスの想いに触れ、

演出しなくてはならない娘の重要性がやっと理解出来た。

男の子は乞食になろうがどうとでも生きていけるが、

呪われた近親相姦の娘など、

誰も嫁に貰ってくれない。

女性が自立不可能な古代社会なので、

オイディプスは娘二人を特に不憫だと思ったのでありました。

オイディプスは娘二人と旅立つことになるが、

妻(母)の弟のクレオンに娘を託そうとするシーンは涙を誘う名場面。

近親相姦の結果生まれたと言っても、

子供には罪はない。

ちなみに近親相姦がタブーとされるのは、

奇形児が生まれるからざんす。

四人も子供がいて、全員まともな外見なのは、

遺伝学的に幸運すぎるが、

古代の戯曲に突っ込むネタではないか。

オイディプス自身が、足が畸形なのが、

実は深い意味があるそうざんす。

畸形の神となるオイディプスの物語は、

「コロノスのオイディプス」で語られるざんす。