「アンティゴネ」『ギリシア悲劇 II ソポクレス』 高津春繁他訳 ちくま文庫
- 作者: ソポクレース,呉茂一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961/09/05
- メディア: 文庫
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が、この本の構成が物語の時系列に沿ってなくてイヤンですね。
「アンティゴネ」は「オイディプス王三部作」のラストを飾る作品なのに、
一本目と二本目は関係ない作品である。
この後に一部と二部が収録されている意図はなんやねん?
で「アンティゴネ」は、「オイディプス王」と「コロノスのオイディプス」の後のエピソード、
オイディプス王の後のテーバイの王位を争ってオイディプス王の息子達は戦死した。
オイディプス王の妻(母)の弟クレオンが王位に就くことになるが、
クレオンは、忌まわしき近親相姦野郎オイディプスの血統を穢れたものとし、
オイディプスの息子達の葬礼を許さず、野晒しにする訓令を出す。
オイディプスの娘アンティゴネは、支配者の命令に背いて兄を弔い、タイーホされ、
誰にも会えない僻地に幽閉される。
民衆の支持は、王クレオンより、穢れた血の娘アンティゴネに傾く。
支配者たる王の決断に文句を付けるとはナンジャラホイと、クレオンは怒り狂う。
が、神々もクレオンをダメポと判断したため、
神々の呪いを受けて、クレオンは妻子を失う破目になる。という話。
クレオンを諌める予言者の発言に、
「支配者の王が絶対だと思うなら、誰もいない砂漠の地で王を名乗れ」
というのがあって、
国家を構成するのに必要なのは、国民であり、
支配者の王は必要ないとハケーンしていたソポクレスは、
古代人の枠を超えた天才だと理解出来たが、
物語としては、人間の努力が絶対ではなくて、神頼みの世界だからしらけるよな。
これを現代物語にして、アンティゴネが知恵を巡らしてクレオンを倒す物語にするとけっこうイケルかも?
導入部のアンティゴネのセリフは活き活きして、キャラが珍しく立ってます。
ファンタジー小説として書き直すと傑作になるかもw