岐阜農林高校「轍〜いつかの足跡〜」岐阜農林高校演劇部作(創作)

農業高校もの。

社会性の問題意識の高いリアルな人間を描いて共感を呼ぶ素晴らしい作品。

販売実習で大声を出せない内気な少女が、

苦悩を抱かえながらも力強く生きていこうとしているクラスメートに感化され、

人間的に成長する感動的な物語。

ラストで少女が大声でクラスメートのエピソードを連呼するシーンには、

感動して涙がこぼれそうになった。

「美しいものが好きで、美しいものを作りたくて、

美しいものを作って、みんなと幸福を分ち合いたくて、

本当は美術科に進学したかったけど、

中学の成績が悪くて美術科のある高校には進学出来なかった。

農業高校で美しい花でも育てようと思ったけど、

作らされるのは、きゅうりや梨ばかり。

それでも、毎日朝7時から農作業して、

38度の炎天下の中で収穫した梨いりませんかぁ〜!」

というセリフに心動かされない奴は人間じゃねぇ、叩き斬ってやる!

「農業科は偉いね、農業科はけな気だね。」

と普通の人間なら思うと思う。

自分の苦労を売りにするのはあざとくないか?

という論点も考えられるが、

もちろん、その点も誤魔化さずにしっかり演じています。

冷房の効いた室内で自称芸術というワケワカランもの製作していても、

人間性が悪くなるだけです。

美術科の卒展は、リヤカーに自分の作品を積んで街を練り歩く方法にするといいと思う。

高尚な美術館で展示するから、生徒が増長してつけあがるのだ。

農業科はリヤカー牽いて街を練り歩いて作品を完売しないと、

学校に帰ってくることが許されません。

美術科は美術館でふんぞり返って、

わざわざ見に来てくれた客を入場拒否して、押し帰してもOKって変だよな。

中部大会では、

「美術科に進学していたら、卒展で入場拒否する人格障害者になるところでした。」

「農業科で人間性を高めることが出来たことを誇りに思います!」

というセリフを追加してホッスイ(藁

真面目な感動的な劇だが、

ギャグのレベルも全国大会の常連の愛知の滝高校並みに凄い。

体張った凄いチームワークギャグを噛まします。

失敗したら怪我するのはもちろん男子生徒だが、

最悪の事故の場合は、これ、死ぬよ。

事故に見せかけて殺すことを考える演劇部員がいたら、

殺せます。

お芝居の中だけではなくて、この高校の生徒の友情は、

自分の命を預けるほどに完璧に育まれていると感じました。

滝のギャグも体張ってるが、ここまで大掛かりなギャグは無かったと思う。

てゆうか、ギャグというよりも、リアカーに5人が絡む

アクションだよな。

学校の授業でリアカー牽いてるからこそ、

リアカーアクションも思いつくというものだ。

リアルな現実を真面目に生きている農業高校生に幸あれ!

君達は社会に役立つ立派な大人になるでしょう。

岐阜農林は岐阜県の誇りですな。

中部大会でも勝ち抜いて、ぜひとも全国大会に行ってほしい。