『時を駆ける美術』 森村泰昌 光文社知恵の森文庫

時を駆ける美術 (知恵の森文庫)

時を駆ける美術 (知恵の森文庫)

本書のベストセリフ

森村泰昌「『アテネの学堂』では、美術が唯我独尊状態にはなっていない。

       哲学、数学、科学、文学、音楽と、

       さまざまな要素の総合体として美術が成立している。

       人間のあらゆる営みを抱え持つことなしには

       美術もありえぬことを、

       この壁画は教えてくれる。

       美術にかぎった話ではない。

       音楽も、数学も文学も、そしてスポーツも、

       見知らぬ者同士ではなく、

       みんなつながりを持っているはずだ」


面白いものはリンクするという森村氏の説には共感出来る。

必要な要素が、美術、哲学、数学、科学、文学、音楽、スポーツであり、

映画と演劇が入ってないのも素晴らしい!

映画と演劇は他のジャンルに繋がる可能性の低い、

知的レベルの低い唯我独尊のワガママなジャンルざんすw

森村氏は俳優として舞台にも立ったことがあるし、

映画にも出演しているので、

知らない門外漢ではなくて、

映画、演劇に関係した経験から、

映画、演劇は、

美術、哲学、数学、科学、文学、音楽、スポーツと対等に語る必要が無い

ダメポジャンルと正しく認識していると思われる。

映画、演劇関係者は、知的好奇心の無い、

野蛮で破廉恥なゴロツキが多いもんなw

知識としてあっても、他のジャンルにリンクしないダメジャンルだが、

一応森村氏は演劇人を美術に比較してもおられる。

野田秀樹ピカソ

ピカソに『泣く女』という名作がある。

あれを見て私は泣けずに笑ってしまう。

なのに、それに『泣く女』とタイトルがついているのだ。

このイメージと言葉のズレが、

かえって鑑賞者の想像力をかきたてる」

蜷川幸雄ブリューゲル

具象画である。

舞台装置や各俳優の役どころすべてが具体的に活写されている。

しかし単純な写実ではない。

舞台のあちこちにメタファーがちりばめられていて、

重厚な意味の層をなしている」

野田秀樹なんかと比較されたら、

ピカソもエライ迷惑だ。

スペイン政府がこのことを知ったら、

侮辱されたと日本に宣戦布告するのではないか?w