『神は銃弾』 ボストン・テラン 文春文庫

神は銃弾 (文春文庫)

神は銃弾 (文春文庫)

本書のベストセリフ

「神は白人で、男なんだよ。

だけど、あたしの意見を言えば、

それこそ、そもそもの罪だ。

それでもう先例ができちまったんだから。

神性―完璧―は男だって言っちまったんだから。

それこそ息子に引き継がれるべき白人の文化で、

だから、それ以外の人間は誰でも、

それ以外のものは何もかも、

それよりひとつ劣るんだよ。

女も、黒人も、インディアンも、動物も、ゲイも。

 それが創世記だ。

あれは醜聞の暴露本だ。

自分に有利なモラルと哲学の寄せ集めだよ。

ヒットラーの『我が闘争』も。

でも、頭のいかれたやつらはけっこうああいうのに夢中になっちゃう」


ノーテンキで大雑把なアメリカ人にこんな凄い作家がいたのか!

単純な二元論の悪の間違いを更に追求したい人は、

オクタビオ・パス山本七平 でも研究して下さい。

哲学的文学的なノワールなので、

純文学ファンによりいっそう受ける作品。

エンタメとしては、比喩表現がやり過ぎでうざい。

比喩地獄というギャグを自分で言ってるので、

許してやりたい気もするが、鼻につくので許しません。

比喩を刈り込んで2割ボリュームを落とせば、 完璧な作品になったろうに惜しい。

ノワールだがヒロインの方が多く人殺しするのが新鮮。

ヒーローはデスクカウボーイと揶揄されるヘタレだしなw

ヒーローの為にヒロインが活躍する異色作。

ヒーローの方が足手纏いであるww

プロットは単純だが、人間関係の描写が巧い。

ヒロインは犯されまくるが、

ヒーローとは恋仲にはならないのも新鮮!

セクロスも武器の一種に過ぎない。

人間関係で大事なのは心の関係ざんす。

これを読んで心が揺すぶられない奴は読書する意味がない。

神の名のもとに和姦するか、

悪魔の名のもとに強姦していて下さい。