『絃の聖域』 栗本薫 講談社文庫

絃の聖域〈上〉 (角川文庫)

絃の聖域〈上〉 (角川文庫)

絃の聖域〈下〉 (角川文庫)

絃の聖域〈下〉 (角川文庫)

本書のベストセリフ

由紀夫「ぼく、大人になっても、絶対に、結婚なんかしないよ」

智「ぼくも――ぼくも絶対に結婚なんかしないよ」


801キタ━━(゚∀゚)━━!プロローグで炸裂!

筋骨逞しい17歳の少年が攻め、

受けるは色白の病弱な16歳の少年。

しかも二人は本妻の子と妾の子、

禁断の二乗の近親相オカマ、

やめて、おしりが、いたい!ハァハァハァ…。

失礼しました。

冗談はともかく、

芸術テーマのミステリとして世界一であろう。

真犯人の苦悩が理解出来ない奴は、

芸術の名を騙る女の裸体画でも見てハァハァしてろ!

レダ』 の芸術家ギルドの描写からも読み取れたが、

栗本薫は芸術を正しく理解してる教養人です。

他人を理解する気もなく、

自分の名誉のみ追い求める自称芸術家は、

社会の邪魔なので死んで下さい。

本格ミステリとしてもどんでん返しがあるので楽しめます。

主人公(なのか?)の名探偵伊集院大介の心理描写が一切なく、

名探偵が推理マシーンに徹しているのも好感度大。

主人公は山科刑事みたいな気もする。

芸術とはなんぞや?

芸術家はどう生きるべきか?

と悩んでいる人は必読である。

本書を読んでまともな芸術家が発生することを望む。

社会の敵の自称芸術家は死んで下さい。