『パンタとレイニンの反戦放浪記』 パンタ&椎野礼仁 彩流社

パンタとレイニンの反戦放浪記

パンタとレイニンの反戦放浪記

本書のベストセリフ

フランコ政権に反対して演奏活動を中止していたパブロ・カザルスが国連で演奏したときに、

私の国では鳥たちがピースピースと鳴いて飛んでいくとスピーチをした情景を思い浮かべると、

平和も随分と安っぽくなったもんだなぁと思ってしまうのも事実なんだ。

政治オタクの論客達が言葉遊びに興じてる合間に、

現実はさらに歩みを早め、心をも蝕んでいく」


アメリカがイラク侵略戦争仕掛ける一ヶ月前に

バグダッド入りした反骨のロッカーPANTAの軌跡を編集者礼仁が書いたルポ。

塩見孝也鈴木邦男雨宮処凛の言動も語られています。

イラク反戦活動していたNGO(実質はイラク政府だがw)が主催した

イラクへの戦争と侵略に反対する国際会議」に、

PANTA達は招かれたのだが、

反戦活動家としてのPANTAと言うより、

歴史オタクのPANTAの言動が面白い。

バグダッドミュージアムをマイペースで鑑賞するPANTA。

PANTAが観ようとしない展示品にガイドが何故かと突っ込むと、

PANTA「東京の展覧会で観たし、これはそもそも偽物だろ!」

ガイド「本物は(略奪美術館の)ルーブル美術館にあります。我がイラク文化遺産なのに…」

PANTA「元々はイランの物じゃないか!」


命を賭けてイラク行って漫才するPANTAに萌えw

空爆始まったらさっさと逃げられるように、

重いギターなんて持たずにイラク入りしたPANTAの現実感覚も素晴しい!

ミュージシャンとして自己陶酔して、

他人に踊らされる奴なら絶対ギター持ってイラクで歌ったよなw

暴力革命の理想を捨てた自然体の大人のPANTAに惚れ直しました。