『太陽の盾 [タイム・オデッセイ②] 』 A・C・クラーク&S・バクスター 早川書房

『時の眼―タイム・オデッセイ①』 は並み以下の歴史SFだったが、

これはなんとか並み以上のハードSFになった。

太陽が異常になり、5年後に致命的な熱線が地球に降り注ぐことが判明し、

地球と同じサイズの盾をラグランジュ1に建設し、

地球滅亡を防ごうという話である。

物語の背後にふざけた宇宙人(オーバーロード)が潜んでいるのが欠点だが、

地球政府の高官は女ばかりだし、

ホモが二人も出てくるし、

ジェンダーSFとしても評価出来る。

メインストーリーには関係ないが、

ヴァチカン市国がスペースシャトル自爆テロで消滅するという素晴しいシーンもありますw

地球サイズの人工天体を作り、軌道を制御する技術面の難しさの

細かい描写がとてもワクワクします。

制御にはコンピュータが欠かせないが、

自意識を持つ彼女は、人類に嘘を付いている節があった。

嘘つきと責めると軟弱な神経質のHAL9000みたいに発狂する恐れがある。

人類はキチ○イかもしれないコンピュータに全てを賭け、

黙々と盾の建造に邁進する。

地球の運命は?そしてコンピュータの運命は?