『時の眼―タイム・オデッセイ①』 A・C・クラーク&S・バクスター 早川書房

本書のベストセリフ

「あらゆる宗教は精神病理だ」


単体で世界最強クラスのクラークとバクスターだが、

合体すると弱くなる非常識なユニットであるw

メインアイデアはG・R・ディクスンの「タイムストーム」 のパクリ。

ディクスンと違うのは、主人公サイドのみの視点からではなく、

同時に存在する色んな時代の勢力に視点がコロコロ変わることである。

アレキサンダー軍対ジンギス・カン軍の戦いに物語は収斂していく、

ハードSFというより、並みの歴史SFである。

実在人物が時代の制限を超えて戦う物語としては、

P・J・ファーマーの「 リバーワールドシリーズ」 にも劣る。

主人公は21世紀の女性兵士らしいが、

オーバーロードにお願いして、

彼女だけが、自分の時代に帰還出来るラストは笑った。

「タイムストーム」 にも「 リバーワールドシリーズ」 にも「戦国自衛隊」 にも負ける作品。

篠原千絵「天は赤い河のほとり」 にも負けているかもしれない。

アレキサンダーファンのマケドニア帝国ファンなら楽しく読めるかもしれない。

それとロシアの技術フェチにも楽しめるかもね。

2037年でも現役のソユーズ宇宙船とかカラシニコフ突撃銃が出てきまっせ!w

ジンギス・カンは悪役なので彼のファンは読まない方がいいでしょう。

モンゴル帝国の社会はチンパンジーの群れと同じだそうですw