『鷲は舞い降りた』 ジャック・ヒギンズ 菊池光 訳 早川

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)

名作の誉れ高いが、普通の戦争小説つーか、スパイ小説。

高評価されたのは、誰もが悪の権化として描写するナチスドイツの軍人にも、

立派な男がいると主張したからである。

イギリス人が敵国のドイツ人を魅力的に書いたので、

個性溢れる傑作とされたが、

これ以後、そんなパターンは当たり前になってしまったので、

現代に読むと、たいして感動しません。

最後の最後まで諦めない主人公のシュタイナ中佐は確かに魅力的だが、

ラストで引き金が引けなかった理由が甘い。

死んでいった13名の部下への想いはどこへ消えた?

なんか中途半端な感じ。

傑作とされるが、書かれた当時に傑作だっただけで、

時代がヒギンズに追いついてしまった現在、

この程度の作品はいくらでもあるよなw

戦争小説の最高傑作は、アリステア・マクリーン

女王陛下のユリシーズ号』 にケテーイである。