『ソラリスの陽のもとに』 スタニスワフ・レム 

その惑星はケプラー軌道もロゼッタ軌道もホーマン軌道もラグランジュポイントも無視して存在し続けていた。

二重太陽の死の呼び声で、

ガーと来てバーンと来てちんぴょろすっぽーん!と消滅する筈だった。

だが、惑星を覆う海が、ニュルルルルーン!

と伸びて、

AMBAC(Active Mass Balance Auto Control=能動的質量変換による姿勢制御)

で、自ら軌道を修正したのである。

その惑星の海そのものが巨大な生物だったのである。

アンバックモーメントを計算して、惑星軌道さえ変えてしまう、知性ある海だったのだ。

人類はその惑星ソラリスに観測ステーションを置いた。

そしてステーション内には、死んだ筈の人間が実体化するという不思議なことが起こり始める。

ソラリスの海は人間の心を読んで、記憶情報を元に、死んだ人間を再生しているらしい。

この人智を超えたソラリスの海に対して、人類は意思の疎通が出来るのだろうか?

という話です。

想像出来ないものを想像しようという、本当に異質なものを描写しようというレムの意欲は凄いが、

小説としては退屈ですよね?w

タルコフスキーの映画版

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も、本当に全シーン熱中して観た人いるの?

ソラリスの海は巨大な神秘的な生物ということで、

単一個体であるという説を支持する人が多いと思われるが、私は群体のように思う。

神秘性は犠牲にして、判り易い異世界生物ものハードSFとして書いて欲しかった。w