『エレンディラ』 ガルシア=マルケス 鼓直&木村栄一訳 サンリオ文庫

エレンディラ (1983年) (サンリオ文庫)

エレンディラ (1983年) (サンリオ文庫)

『大きな翼のある、ひどく年老いた男』
『失われた時の海』
『この世でいちばん美しい水死人』
『愛の彼方の変わることなき死』
『幽霊船の最後の航海』
『奇跡の行商人、善人のブラカマン』
『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』

ちくまでなくてサンリオ版を105円でGETしたw

エレンディラは80Pほどの中篇だが、

残りの6作は10Pほどの短編で、

これが抱腹絶倒のオムニバスになっている。

蟹が異常繁殖しているおかしな村に、

滑稽な奇跡が起こって、

周辺から見物客が押し寄せて大騒ぎになるというパターン。

短編の内容をバラすほど失礼なことはないので、

詳しくは書けないが、

エレンディラは映画になったが、

残りの短編は、映画にしたら苦情が殺到すると予測される凄い破壊力である。

マルケスの本質はギャグであるという自説が、

この短編集でいっそう明確になりました。

キリスト教文化圏では映像化不可能だろうが、

日本なら漫画化出来ると思う。

福山庸治(ふくやまようじ)の不条理ギャグ漫画が、

この短編集の雰囲気に似てると思いました。

ギャグの破壊力はこの短編集の方が上かもね。