『シティ・オブ・ボーンズ』 マイクル・コナリー 古沢嘉通 訳 早川文庫

シティ・オブ・ボーンズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

シティ・オブ・ボーンズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

“ハリー・ボッシュ”シリーズ8作目。

前作で主人公がサイコパス扱いされたのが嘘のような、

のんびりまたぁりした展開で、

普通のハードボイルドに戻ってしまったかと危惧したが、

終盤のドンデン返しの量は新記録を樹立した。

コナリーの小説はラストで二転三転するのが当たり前だが、

本書は犯人当て推理小説として四転五転までひっくり返ります。

そして、事件が解決した後に小説としてトドメの大ドンデン返し。

リアルタイムで読んでいた読者は、

最終巻なのか!

と絶叫したに違いない。

毎巻が最終巻のノリの凄いシリーズだが、

最終巻にやるべきネタをここでやってしまうとは!

ここでこのネタ使っては、

本当の最終巻の選択肢が減って作者は不利だが、

天才コナリーなので、

問題ないということだよな。

シリーズものの途中で、

容疑者も探偵もみんないなくなってしまう、

そして誰もいなくなった」をやってしまった傑作。

ごめん、嘘です。生き残る人物はいますが、

そして誰もいなくなった」に匹敵する傑作ということです。