『バッドラック・ムーン』 マイクル・コナリー 木村二郎 訳 講談社文庫

バッドラック・ムーン〈上〉 (講談社文庫)

バッドラック・ムーン〈上〉 (講談社文庫)

バッドラック・ムーン〈下〉 (講談社文庫)

バッドラック・ムーン〈下〉 (講談社文庫)

スタンドアローン作品とされるが、

例によってボッシュシリーズのキャラが出てくるので、

ボッシュシリーズと同じ世界です。

女主人公のノワールである。

コナリー作品で一番出来が悪いせいか、絶版になっているが、

コナリーとしてはレベルが低いというだけで、

普通の小説としては水準作以上である。

女泥棒が主人公なので、

セクースシーンが無いのを私は高く評価する。

サスペンスとして時間の制限があり、

のんびり恋なんかしてる暇はない設定はgoodである。

ラストのアクションも銃撃戦になったら負けだと、

女主人公が自覚していて頭脳戦を仕掛けるのも水準以上。

惜しむらくは偶然の要素が入ったことであるが、

この作品は偶然の一致、共時性をテーマにしてるみたいで、

ワザとか?

コナリーファンならもちろん読むべき一冊ではある。

看板作品のボッシュシリーズそのものが今一の人はもちろん読まなくていいです。