『トランク・ミュージック』 マイクル・コナリー 古沢嘉通 訳 扶桑社ミステリー文庫

トランク・ミュージック〈上〉 (扶桑社ミステリー)

トランク・ミュージック〈上〉 (扶桑社ミステリー)

トランク・ミュージック〈下〉 (扶桑社ミステリー)

トランク・ミュージック〈下〉 (扶桑社ミステリー)

“ハリー・ボッシュ”シリーズの5作目。

例によってどんでん返しが連続する終盤は凄いが、

本格推理小説としては今回は三つ星。

というか、ハードボイルド小説として普通。

古沢嘉通氏の名訳でサクサク読めるが、

今までのレベルが高過ぎた故に、

本作はやや物足りないと思った。

ネタバレになるので詳しくは書けないが、

本作を愚作だと誤読する人に対しては反論する用意はあります。

しかし、ハインラインの「異星の客」 ネタが出てくるとは思わなかった。

コナリーが読書家なのは周知の事実なので、

もちろんSFも読んでいるのは明確だが、

あの「異星の客」 を雑魚扱いするのはもったいないよな。

あのオヤジが再登場することを願って、

コナリーをガシガシと読み続けます。

今作からエドガーが相棒に復帰するが、

エドガーが銃を構えて(銃を扱えるとは思わなかったw)、

ボッシュを助けるシーンは感動的。

待ってるだけ。助けになんか行かないよ。

と言いながらも、助けに駆けつけてしまうエドガーがかっちょええ!

男は不言実行

というか、否言実行。

役立たずを自称しながらも、

重要な局面ではちゃんと役に立つ男が一番かっちょええ!

白ける自画自賛をせずに、

行動で示す本物の男に感動したいのなら、

コナリーを読め!