『ナイトホークス』 マイクル・コナリー 古沢嘉通 訳 扶桑社文庫
男というものは、矮小な性欲より、
世の為人の為、メガボーグの野望を打ち砕く為に生きねばいけないと思う。
本書のヒロイン「エレノア」と主人公はセクースするが、
恋人とのラブラブファイヤーの生活より、
正義の活動を重視した本書の主人公は、
まさに男の中の男である。
ちなみにエレノアとは、
セオドア・ルーズベルトの姪で、フランクリン・ルーズベルトの妻の名でもあったのですよ。
エレノアの三つの教訓
1.私は魅力的でない。
2.わたしに対する誰の愛情も持続しない。
3.最も頼りにしていた人でさえ、自分を失望させうる。
エレノアの名言
「自分はどんな状況にいるか」でなく、「自分は何をするのか、しているのか」を重視しなさい。
丸山眞男の「『である』ことと『する』こと」の思想と同じだが、
ちなみに丸山よりエレノアの方が早い。
つまり、丸山の思想に準ずる深い哲学が、
「ナイトホークス」には含まれているとして解釈すべきである。
難解なもってまわった言い回しする哲学書より、
コナリーの文学の方が生きる為の哲学書としても有効。
男として生きる哲学を求めている人は、コナリーを読め!