『ナイトホークス』 マイクル・コナリー 古沢嘉通 訳 扶桑社文庫
- 作者: マイクルコナリー,Michael Connelly,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1992/10/01
- メディア: 文庫
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ハリー・ボッシュ「偶然なんてない」
なんだ、このレベルの高さは!
第一作から、シリーズものの最終巻のような凄いネタが展開します。
ハードボイルドの枠を超えた本格推理小説として楽しめます。
というか、ハードボイルドの欠点を逆手にとった本格ミステリである。
世界一の推理小説、クイーンの「Yの悲劇」には惜しくもかなわないが、
ラスト50Pのドンデン返しは、
「Yの悲劇」をハードボイルドでやる気かと、凄い興奮しました。
まだ、一作目である。
「Yの悲劇」も超え、
推理小説のジャンルも超え、
新たなジャンルを創設してしまいそうな力量がコナリーからは読み取れます。
コナリー読まずに死んだらいけないというが、
死刑が確定した死刑囚にも読ませるべき傑作である。
死刑囚は、
「コナリーの作品読みたいので、死刑にしないで下さい。悔い改めます」
と叫ぶであろうw。
ネタばらしになるので、どう紹介するか、書き方に悩む作品だが、
思いっきり深読みして曲解して、
美術オタクの刑事が、美術品を集める物語。
という紹介はどうよ?
原題はブラックエコーだが、ナイトホークスという訳題にした
古沢嘉通さんのセンスも素晴しいですな。
ブラックエコーテーマのベトナム帰還兵の物語なんて量産されすぎている。
本書はナイトホークスの物語である。
最後にこの名セリフは書いておきたい。
『不正は正されなければいけない』