『ダークグリーン』④ 佐々木淳子

ダークグリーン (5) (MF文庫)

ダークグリーン (5) (MF文庫)

磯貝「国会ぎじどー」

リュオン「ゼルだ、あそこにゼルがよどんでいるよ!でっかい影が…」

磯貝「待てよどうするつもりだよ」

リュオン「決まってんだろぶっこわすんだよ!あんなのほっとけない!早くぶっこわさないと」


磯貝「…温室効果か」

リュオン「わかって…いるの?わかっていてなぜ…知っているならなぜ!」

北斗「オレたちの力じゃどうにもならないことだろう?車や工場止めるわけにもいかないし…」

リュオン「車をやっつける」

北斗「リュオンやめろ!こんなやり方でできるわけないだろ!車はなん億台ってあるんだぜ」

リュオン「工場をやる」

北斗「やめろ!大爆発させたら働いてる人たちは…」

リュオン「人間は殺さないよ」

北斗「その人たち職なくなって食えなくなるんだぜ!」

リュオン「オンシツコーカよりましでしょ、みんな死ぬよりは」


リュオン「だって…だれも殺さなかったし…迷惑はかけなかったはずだ…」

オソー「迷惑かけない?冗談じゃないよ!」

リュオン「…多少の犠牲はやむをえないさ」


名無しさん「…と言うわけでこの都市計画では森林をつぶしてハイウェー…」

リュオン「なんてことするんだよ、木がかわいそーじゃないか、なんにも悪い事してないのにっ」


ドッド「それ持ってりゃえらいんだよ、金ってのはてめー、価値だけのしろものだからな」

リュオン「そんなの人間が勝手に決めた約束だろ?紙切れ自体は紙切れ分しか価値ないよ」

モーリン「でもその約束があるからいろいろ便利なのよ」

リュオン「便利…?これのどこが便利だって?人を救うどころか…金のために殺し合って?」


リュオン「お金って好きじゃない、人間の作ったただの約束のしるしなのに人間のほうが縛られてる」

ドッド「そりゃオレたちだってこんな紙切れのために殺し合いたくはねーさ。でもしくみだからな、世の中金を持った者が強いんだ」

リュオン「人間が作ったしくみならもっとうまく作り変えればいいじゃない」

ドッド「これ以上うまい方法なんてありゃしないさ、巨大な文明ってもんはもう自力で動いてるんだ。だれにも止められやしねえ」

リュオン「自分たちで作って縛られて…巨大に進歩してますます縛られて…知らず知らずゼルを作り出しても…それを止める事すらできないで?」


"彼ら"「…小さな虫けら…」

北斗「えっ?」


バロー「関係なかったら別の方法を考えるさ、答えの出せないうちは両方の可能性があるわけだからの。白黒つけるだけでも価値があるじゃないか。自然はつねに開けっぴろげで答えを発見されるのを待っている…何も探求しようとしなければ、何もわからないまま一生を終えることもできる。しかし、何かに疑問を持ち"なぜか"と問えば自然はたくさんのヒントを散りばめてそれが解き明かされるのを待っていてくれる。そして…答えはいつか必ず見つかるのさ、たとえなん百年なん千年かかろうとも…な」

北斗「たいせつなのは探求する…心?」



世界一のストーリーテラーSF漫画家、佐々木淳子の最高傑作「ダークグリーン」である。

夢の世界でファンタジィしていたが、遂に現実世界で戦ってしまうのである。

現実世界でヒーローがまず最初に破壊しようとした悪魔が、

国会議事堂であったという素晴らしさ!

現実でも超能力が使用できるのはおかしいが、その使い方がもっとも正しいからいいではないですか。

我々は超能力が使用できるとするのなら、まず第一に国会議事堂を破壊しなければいけないのである。