『真鍮の評決 リンカーン弁護士』 マイクル・コナリー 講談社文庫

本書のベストセリフ

「その情報を与えることはできないが、容易に想像できるだろう」

読む楽しみを奪ってはアカンので、詳しい情報を与えることはできないが、うっとおしい文学ではなくて、本質はエンタメの本格推理作家のコナリーなので、面白いことは容易に想像できるだろう。

裁判は嘘つきコンテストと認識するシニカルに頭良さげな主人公の弁護士だが、刑事ハリー・ボッシュと真犯人 の知的ゲームの駒でしか無かった!

リーガルミステリーとしてのどんでん返し、本格推理としてのどんでん返し、そして小説としての意外な結末で見事に終わる。

ジェンダー観も素晴しいが、それも本格推理としてのトリックに組み込んでいる見事な作品。

正義とは何か?家族とは何か?という思索もあるので純文学寄りが好きな人も感動出来るであろう。

でも、うっとおしい純文学ではなくて、アボットコステロのギャグも爆裂するエンタメの傑作。

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上) (講談社文庫)

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上) (講談社文庫)

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下) (講談社文庫)

真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下) (講談社文庫)