7月に読んだ本まとめ

7月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2935ページ
ナイス数:32ナイス

不可思議アイランド (徳間文庫)不可思議アイランド (徳間文庫)
SF、ミステリ、ユーモア、ペーソス、サスペンス、アクション、ホラー、時代とエンタメの全ジャンル制覇のバラエティに富んだ短編集。ホーガンがSFミステリとして大長編にしたネタとほぼ同じネタを中篇として軽く投げ捨ててしまう、アイデアが無限に湧き出る正紀の天才性には畏れ入りました。
読了日:07月02日 著者:山田 正紀
百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)
主人公の一人がブール代数を専門にする数学者なので、十進法とみせかけて二進法で騙すとか、最短距離のスタイナー点を利用するとか、整数座標を角度πで避けるとかのネタを期待したが、数学トリックはほとんどなくて期待とは違ったが、終盤のどんでん返し二連発は面白かったです。
読了日:07月08日 著者:ジェフリー アーチャー
虹の谷の五月(上) (集英社文庫)虹の谷の五月(上) (集英社文庫)
フィリピンの山奥の田舎で暮らす13才の少年(未精通)が、飲む打つ買う一切しない立派な大人になる事を夢見る、朴訥で静謐なる物語。拝金主義の日本人に影響されずに主人公の”おいら”は立派な大人に成れるのだろうか?WW2時代に抗日ゲリラとしてジャップを3人ぶち殺した祖父の正義のアクションの完全発動も下巻にキボーン!
読了日:07月10日 著者:船戸 与一
虹の谷の五月(下) (集英社文庫)虹の谷の五月(下) (集英社文庫)
誇りの為に、未来の為に、戦い死んで行く男達。下巻の焦点は15歳の"おれ"になった(精通キタ━━(゚∀゚)━━!)主人公が正義の為に殺人するか否かだろうが、そこへ至るアクションの流れが、フィリピンを舞台にする必然性も活きていて、ベラボーに巧い!「砂クロ」や「猛舟」の方が傑作という説もあるだろうが、これも、青春ハードボイルドとして、さわやかな傑作ですね。船戸与一は、やはり、全作コンプすべき作家みたいですな。
読了日:07月12日 著者:船戸 与一
ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉しむ〉シリーズ)ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉しむ〉シリーズ)
多様体の基本群が単位元に還元されるにもかかわらずその多様体が球ではないということがありうるだろうか」円は切って伸ばすと線分になります。8の字は円か9の字にしかなりません。二次元の場合は見ただけで円か否かは判断出来るので証明する必要が無いが、三次元以上の全ての次元で円と円以外の違いを調べる方法があると言うのがポアンカレ予想多様体を素多様体に分解する手法でペイルマンが証明したが、数学者でもある著者は専門知識の無い人を馬鹿にした視点があるので文系にはこの本は薦めない。
読了日:07月14日 著者:ジョージ G.スピーロ
未来獣ヴァイブ (ソノラマノベルス)未来獣ヴァイブ (ソノラマノベルス)
20年間未完で放置していた怪獣SFが現実にシンクロし、あっと驚く完結?伝奇SFの要素もお値打ち。怪獣と真面目に戦って戦死(犬死だけど)する自衛隊員がいる一方で、守るべき日本人の民間人に発砲するゴロツキ自衛官もいるのが、さすが、反日作家の正紀である。怪獣とシンクロし超能力者に目覚める少年と、彼をサポートする健気な少女だけなら、正紀以外にも書けそうだが、雑魚の苛められっ子のキャラがデラ面白い。苛められるのも一種の才能。いつも被害者だが、加害者を呼び込む才能は、加害者同士の相打ちも?そこに落ちる不法所得GET?
読了日:07月26日 著者:山田 正紀

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