『前夜』 リー・チャイルド 講談社文庫
普通の作家ならキャラの紹介エピソードとしてパターンで流す箇所も、
一歩踏み込んで見事にストーリーに関連させている。
無駄な描写が無い巧さに唸る。
ホモ殺人事件も出てくるのでジェンダー観も素晴しい傑作。
ひたすらプロットが巧い。
セクースの為のラブコールさえ
演繹的推理小説のトリックの一部として見事に組み込んでいる。
鬱陶しい純文学的なダラダラ文でなく、
スタイリッシュな短いセンテンスの文のテンポも良い。
エンタメとしてしっかり考えて書かれた傑作。
エドワード・ホッパーの「ナイトホークス」も出てくることから、
作者の理想はマイクル・コナリー だと期待する。
一部マイクル・コナリー を超えている箇所も見受けられる。
これは全作コンプしなアカンですな。
http://d.hatena.ne.jp/wakaba-mark/20110607
- 作者: リー・チャイルド,小林宏明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/15
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