『ドルセイ魂』 ゴードン・R・ディクスン 石田 善彦 訳 創元

本書の主人公たちは、お年が不自由な女性とガキと手足が不自由な人である。
彼らが屈強な男達の軍隊を敵にまわして勝ってしまう素晴しい設定。
勝ち方をもっと面白く感動的にしてほしかったが…。
実は本書は二つの中編をキャラに語らせるという構成で、
各々の中編自体はたいしたことないけど、
語り手が意味深なんだよね。
名前だけだが、ドナル・グレイムもでてくる。
本書は「ドルセイ!」の前に読んだらいかんよ。
「ドルセイ!」の結末がこの作品の中で語られているので・・・。
後半はドナルの叔父が1人死ぬ話である。
作品中にドルセイの歌が譜面入りで載っていて笑ってしまった。
ディクスンは古いタイプのSF作家で、小説としていい話を書くときもあるが、
SFマインドはあんましないのよね。

ドルセイ魂 (創元推理文庫 (679‐5))

ドルセイ魂 (創元推理文庫 (679‐5))